放電加工

 
 

加工時間はすごくかかるけど、複雑な形状も確実に加工できるスゴイやつ。

放電加工はすごいですよ。
これまでの工作機械は物理的に削ったり、穴を空けたり、磨いたりして欲しい形状を加工してきました。
放電加工は文字通り、電気を放出して加工するのです。
放電で加工…?
では詳しく解説します。
 
放電加工は大きく分けて2種類あります。
 
1.ワイヤー放電加工
2.型堀放電加工
 
1.のワイヤー放電はワイヤー状の真鍮や銅の棒(線)を材料に接触させて加工します。
ただし、ワイヤーを当てただけでは材料は切れないので、ワイヤーに電気を流しながら。
カットと言っても目で見えるほどカットするわけではなく、純粋に満たされた材料とワイヤーが接する(実際は接触していない)部分にワイヤーを流れる電気で放電が発生し、その放電の熱エネルギーで溶かし削っていくイメージです。
 
ワイヤー径は0.05~0.3mmとものすごく細いのです。
何でこんなに細いものを使うかと言うと、例えば金型のパンチを作っているとします。
金型は打ち抜く形状の反転形状を作る必要がありますね?
その際、引っ込んだ角の形状がある場合を考えて見ましょう。
角にRが付いてよければ、マシニング加工などでエンドミルを使えば加工可能です。(いわゆる角Rというやつ)
しかし、Rが付けられない場合はどうしようもありません。
そこでこのワイヤーカットの出番です。
0.05mmの極細ワイヤーを使ったとすると、角Rは0.025mmとなり、ほぼR無しに加工できるのです。
これはワイヤーカット加工にしかできないことです。
 
デメリットは加工時間がおそろしくかかると言うこと。
1分で20mmほどしかカットできません。
また、平面的なカットはできますが、3次元的な形状のカットはできません。
 
そして型堀放電加工。
先ほどワイヤー放電加工では平面的なカットしかできないと言いました。
しかし、型堀放電は3次元的な加工が出来るのです。
原理はワイヤーとほぼ同じ。
加工後に欲しい形状と反対の形状の電極を作ります。
ワイヤーと同じく純粋に満たした材料に電極を近づけて放電をさせます。
すると放電により電極の形に材料が削れていくのです。
それはまさに形状転写しているように。
 
これもね、ワイヤーと同じく加工時間がおそろしくかかります。
電極の放電面積にもよりますが、ワイヤーより時間がかかるイメージです。
 
この型堀放電加工で加工されるのはやはり金型が多いです。
金型の中でも3次元的な形状が要求される樹脂成型金型、いわゆるインジェクション金型にはほぼこの型堀放電加工をした材料を使っていると考えて良いでしょう。
 
放電加工のメリットは超精密で角Rの無い加工が可能。
デメリットは加工時間がおそろしくかかる=加工工賃が高い。
 
と覚えておきましょう。

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